A社がB社に譲渡した甲土地は譲渡損益調整資産に該当するので、譲渡益相当額が損金算入されている(法人税法61条の13第1項)。取引①では甲土地をB社からC社に譲渡しているため、A社において損金算入した譲渡益相当額が益金算入される(法人税法61条の13第2項)。なお、B社においてはC社への譲渡額と取得価額が同額のため、課税所得は生じない。
取引②による現金の贈与について、B社においては寄附金の額に該当する(法人税法37条⑦)。B社及びC社はそれぞれA社による完全支配関係があることから、B社における寄附金の全額が損金不算入となる(法人税法37条2項)。
取引③による乙土地の贈与は、居住者個人が法人に贈与していることから譲渡時の乙土地の価額6,000万円で譲渡したものとみなされる(所得税法59条1項)。また、乙土地はPの父Qが購入したものであるが、Pが相続により引き継いでいることから、購入時の時価相当額3,000万円が取引③における譲渡所得金額計算上の取得費となる(所得税法60条①)。
取引④による特許権使用料について、貸付けの相手方であるD社は非居住者ではなく外国法人であるものの、これを非居住者と捉えたならば、取引④は輸出免税取引に該当する(消費税法7条)。そのため,取引④による特許権使用料には日本の消費税は課税されない。
※上記解答は独自に作成されたものであり、「公認会計士・監査審査会」が公式に発表したものではございません。ご理解のうえ、ご利用下さい。