第59回 税理士試験 試験解答財 法人税法

第59回 税理士試験 消費税法

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消費税法

第1問

問1
1. 「売上げに係る対価の返還等をした場合」の意義

事業者(免税事業者を除く。)が、国内において行った課税資産の譲渡等(輸出免税等により消費税が免除されるものを除く。)につき、返品を受け、又は値引き若しくは割戻しをしたことにより、その課税資産の譲渡等の対価の額とその対価の額に100分の5を乗じて算出した金額との合計額(以下「税込価額」という。)の全部若しくは一部の返還又はその課税資産の譲渡等の税込価額に係る売掛金その他の債権の額の全部若しくは一部の減額(以下「売上げに係る対価の返還等」という。)をした場合には、その売上げに係る対価の返還等をした日の属する課税期間の課税標準額に対する消費税額からその課税期間にお いて行った売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額(その返還等をした税込価額又はその減額を した債権の額に105分の4を乗じて算出した金額)の合計額を控除する。

2. 売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額の控除要件
①帳簿の保存
上記(1)の規定は、事業者がその売上げに係る対価の返還等をした金額の明細を記録した帳簿を保 存しない場合には、その保存のない売上げに係る対価の返還等に係る消費税額については適用しな い。 ただし、災害その他やむを得ない事情によりその保存をすることができなかったことをその事業者 において証明した場合は、この限りでない。
②帳簿の記載事項等
上記(1)の規定の適用を受けようとする事業者は、次に掲げる事項を帳簿に整然と、かつ明りょう
に記録しなければならない。
(イ) 売上げに係る対価の返還等を受けた者の氏名又は名称
(ロ) 売上げに係る対価の返還等を行った年月日
(ハ) 売上げに係る対価の返還等の内容
(ニ) 売上げに係る対価の返還等をした金額
③ 帳簿の保存期間
上記②に規定する事業者は、記録した帳簿を整理し、これをその閉鎖の日の属する課税期間の末日 の翌日から2月(清算中の法人について残余財産が確定した場合には1月とする。以下同じ。)を経 過した日から7年間、その事業者の納税地又はその取引に係る事務所、事業所その他これらに準ずる ものの所在地に保存しなければならない。
3. 相続、合併又は分割があった場合の取扱い

相続により被相続人の事業を承継した相続人、又は合併により事業を承継した合併法人若しくは分割により事業を承継した分割承継法人(以下「相続人等」という。)が、被相続人又は被合併法人若しくは分割法人により行われた課税資産の譲渡等につき売上げに係る対価の返還等をした場合には、その相続人等が行った課税資産の譲渡等につき売上げに係る対価の返還等をしたものとみなして、上記(1)及び(2)の規定を適用する。

問2
(1) A
(提出すべき消費税の届出書及びその提出時期)
Aは、平成21年12月31日までに、「消費税課税事業者選択届出書」及び「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を提出すべきである。
(理由)
Aは、平成22年度の課税期間は免税事業者となるため、還付を受けるためには課税事業者とならなけれ ばならない。また、平成22年度は本則課税にもどす必要があり、「消費税簡易課税制度選択届出書」の効 力を失わせるため、当該届出書の提出を要する。
(2) B
(提出すべき消費税の届出書及びその提出時期)
Bは、平成21年12月31日までに「消費税課税事業者選択届出書」を、また相続開始後速やかに「個人事 業者の死亡届出書」を提出すべきである。
(理由)
平成21年度のBの納税義務については、前々課税期間のB及びCの課税売上高が1,000万円を超えない ため、このままでは課税事業者ではない。また、Cが提出した「消費税課税事業者選択届出書」は、相続 人であるBには引き継がれない。 したがって、課税事業者になったことがないBが仕入れに係る消費税額の控除不足額の還付を受けるた めには、課税事業者となる必要があり、当該届出書の提出を要する。 また、個人事業者が死亡した場合には速やかに「個人事業者の死亡届出書」を提出することとされてい る。
D社
(提出すべき消費税の届出書及びその提出時期)
D社は、平成22年4月30日までに「消費税課税事業者選択届出書」を提出すべきである。
(理由)
D社の平成22年5月1日から平成23年4月30日までの期間の基準期間である設立第1期の課税売上高は、 1,029万円×100/105=980万円であり、1,000万円以下であるため納税義務がない。 したがって、D社が当該課税期間に仕入れに係る消費税額の控除不足額の還付を受けようとする場合に は、課税事業者となる必要があり、当該届出書の提出を要する。
(4) E社
(提出すべき消費税の届出書及びその提出時期)
E社は、平成22年3月31日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を、また、速やかに「合併による 法人の消滅届出書」を提出すべきである。。
(理由)
E社の平成22年4月1日から平成23年3月31日までの期間の基準期間である平成20年4月1日から平成21年 3月31日までの期間の課税売上高は、2,625万円×100/105=2500円で、5000万円未満であることから、「消 費税簡易課税制度選択届出書」の提出があれば簡易課税制度を選択できる。この場合において、簡易課税 制度の適用の有無については、被合併法人であるF社の基準期間の課税売上高は考慮しない。また、F社 が提出した「消費税簡易課税制度選択届出書」の効力は合併法人であるE社には引き継がれない。したが ってE社が簡易課税制度を適用しようとする場合には当該届出書の提出が必要である。 また、合併により被合併法人が消滅した場合には、速やかに合併法人が被合併法人の納税地の所轄税務 所長に「合併による法人の消滅届出書」を提出することとされている。
(5) G社
(前提となる手続、提出すべき消費税の届出書及びその提出時期)
G社は、災害により被害を受けたため、その災害等のやんだ日から2月以内に、「災害等による消費税 簡易課税制度選択(不適用)届出に係る特例承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出し、簡易課税制 度の適用をやめることの承認を受ける。 これに伴い、G社は同様にその災害等のやんだ日から2月以内に「消費税簡易課税制度選択不適用届出 書」を提出すべきである。
(理由)
G社の平成21年4月1日から平成22年3月31日までの当課税期間の簡易課税の適用については、当課税期 間の基準期間である平成19年4月1日から平成21年3月31日までの期間の課税売上高は5,040万円×100/105 =4,800万円であり、5,000万円未満であるため簡易課税制度が適用される。 原則として、前課税期間から適用した簡易課税制度は当課税期間の初日以降でなければ「消費税簡易課 税制度選択不適用届出書」を提出することができず、当課税期間においてはその適用をやめることはでき ない。 しかし、平成21年5月22日に発生した災害により、G社は被害を受けたことから本則課税に変更しよう とする場合には、その災害等のやんだ日から2月以内(そのやんだ日がその申請に係る課税期間の末日の 翌日以後に到来する場合には、その確定申告書の提出期限まで)に「災害等による消費税簡易課税制度 選択(不適用)届出に係る特例承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出し承認を受ければ、「消費税 簡易課税制度選択不適用届出書」を当該課税期間の初日の前日に提出したものとみなされ、当課税期間に おいて本則課税の適用が可能となる。この場合においては、簡易課税制度選択不適用届出書の提出制限の 規定は適用されない。

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問2
I.納税義務の有無の判定


II課税標準額に対する消費税額の計算


III.仕入に係る消費税額の計算等






IV.差引税額の計算


V.中間納付税額の計算


VI.納付税額の計算

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上記解答について

※上記解答は独自に作成されたものであり、公式に発表したものではございません。ご理解のうえ、ご利用下さい。内容は変更する場合があります。

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