第58回 税理士試験 試験解答財 法人税法

第58回 税理士試験 消費税法

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消費税法

第1問

問1
1. 国内取引の課税標準

課税資産の譲渡等に係る消費税の課税標準は、課税資産の譲渡等の対価の額とする。
この場合の対価の額とは、対価として収受し、又は収受すべき一切の金銭又は金銭以外の物若しくは権利その他経済的な利益の額(その物若しくは権利を取得し、又はその利益を享受するときにおける価額)とし、課税資産の譲渡等につき課されるべき消費税額及びその消費税額を課税標準として課されるべき地方消費税額を含まないものとする。

[1]低額譲渡に該当する場合
法人が資産をその役員に譲渡した場合において、対価の額が譲渡時における資産の価額に比し著しく低いときは、その価額に相当する金額を対価の額とみなす。
[2] 資産の譲渡とみなす場合
① 個人事業者が棚卸資産又は棚卸資産以外の事業用資産を家事のために消費し、又は使用した場合には、その消費又は使用の時における消費し、又は使用した資産の価額に相当する金額を対価の額とみなす。
② 法人が資産をその役員に対して贈与した場合には、贈与の時における贈与資産の価額に相当する金額を対価の額とみなす。
[3] 資産の譲渡等に類する行為
次に掲げる行為に該当する場合の対価の額は、それぞれに掲げる金額とする。
① 代物弁済による資産の譲渡
代物弁済により消滅する債務の額に相当する金額
② 負担付き贈与による資産の譲渡
負担付き贈与に係る負担の価額に相当する金額
③ 金銭以外の資産の出資
出資により取得する株式の取得時における価額に相当する金額
④ 特定目的信託による資産の移転
資産の移転時におけるその資産の価額に相当する金額
⑤ 資産の交換
交換により取得する資産の取得時におけるその資産の価額に相当する金額
[4] 一括譲渡の場合
事業者が課税資産と非課税資産とを同一の者に対して同時に譲渡した場合において、これらの資産の譲 渡対価の額が合理的に区分されていないときは、各資産の価額の割合に応じて課税標準を計算する。
問2
[1] 取扱い
アメリカに所在する外国法人A社に対する売上げは、日本国内を経由せずに行われているため、国外取引 となり、課税売上に含めない。また、中国の現地メーカーB社に製造させた費用は国内における課税仕入れ に該当しない。
[2] 理由
資産の譲渡が国内において行われたかどうかの判定は、その譲渡が行われる時においてその資産が所在し ていた場所が国内にあるかどうかにより行うものとする。
[1] 取扱い
内国法人C社に対する委託料は、国内における役務の提供であるため、国内における課税仕入れに該当す る。その際、課税売上割合が95%未満の場合には、海外市場の市場調査のための支出であることから、製造 販売業に直接要する費用であることから課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れとして仕入税額控除を計 算する
[2] 理由
  • ① 国内取引の判定
    市場調査に係る役務の提供が国内において行われたかどうかの判定は、この役務の提供が国内及び国内以外の地域にわたって行われる役務の提供その他の役務の提供が行われた場所が明らかでない場合には役務の提供を行う者の役務の提供に係る事務所等の所在地が国内にあるかどうかにより行うものとする。
  • ② 仕入れに係る消費税額の控除
    事業者(免税事業者を除く。)が、国内において行う課税仕入れについては、国内において課税仕入れを行った場合にその課税仕入れを行った日の属する課税期間の課税標準額に対する消費税額から、その課税期間中に国内において行った課税仕入れに係る消費税額(その課税仕入れに係る支払対価の額に105分の4を乗じて算出した金額をいう。)を控除する。
[1] 取扱い
外国法人D社の商標の専用使用権に係る使用料の支払いについては、当該商標権が日本とイギリスの2カ 国で登録されているため、外国法人D社の住所地で判断し、国外取引となる。したがって、当該使用料は国 内における課税仕入れに含めない。
また、内国法人E社からの使用料の受取りについては、当該専用使用料の登録が日本であるため、国内取 引となり、E社からの使用料の受取りは課税資産の譲渡等に該当する。
[2] 理由
商標権及び専用利用権の貸付けが国内において行われたかどうかの判定は、商標権及び専用利用権の登録をした機関の所在地により判定する。この場合において、同一の権利について2以上の国において登録をしている場合には、これらの権利の譲渡又は貸付けを行う者の所在地により判定する。
[1] 取扱い
日本とアメリカに登録している意匠権を外国法人F社に貸付けた際に受け取った使用料については、貸付けを行う者の所在地は日本であるから、国内取引となり、かつ、非居住者に対する無形固定資産の貸付けであるため、輸出免税取引に該当する。従って課税売上割合の計算上、課税資産の譲渡等に含める。
[2] 理由
事業者(免税事業者を除く。)が国内において行う課税資産の譲渡等のうち、輸出取引等に該当する非居住者に対する無形固定資産の貸付けについては、消費税を免除する。
[1] 取扱い
外国銀行Gの預金口座への金銭の送金は、債務者が非居住者であるため非課税資産の非課税資産の輸出等に該当する。また、当該口座に係る預金利息の受け取りは非居住者からの利息の受け取りであることから非課税資産の輸出等に該当する。ゆえに、課税売上割合の計算上、これらの取引金額を分母と分子に加算する。
[2] 理由
事業者(免税事業者を除く。)が国内において非課税資産の譲渡等のうち輸出取引等に該当するものを行った場合において、その非課税資産の譲渡等が輸出取引等に該当するものであることにつき一定の証明がされたときは、その非課税資産の譲渡等のうちその証明がされたものは、課税資産の譲渡等に係る輸出取引等に該当するものとみなして、仕入れに係る消費税額の控除の規定を適用する。

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問2
I.納税義務の有無の判定


II.課税標準に対する消費税額の計算


III.仕入に係る消費税額の計算等






IV.差引税額の計算


V.中間納付税額の計算


VI.納付税額の計算

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上記解答について

※上記解答は独自に作成されたものであり、公式に発表したものではございません。ご理解のうえ、ご利用下さい。内容は変更する場合があります。

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